京都の八坂神社の向かいにある亀屋清永でつくっている清浄歓喜団を頂戴した。
さっそくお供えした。
30年まえは、一個250円だったが、いまは550円する。
歓喜団はモーダカといい、それが転じて最中になったという。
聖天行者だった三井英光大僧正は、歓喜団のかわりに最中をそなえていた。大福や揚げドーナツで代用されているかたもいる。それで、ご利益があるのだから、構わないと思う。
さすがインド由来の中でもとくにインド的な聖天尊は、とくに甘党らしく、ある聖天寺では、小豆汁にびっしりと砂糖をまぶしていた。(インドのお菓子はとても甘い!)
そこまではしなくてもよいが、供物を調えるときは貴人に供えるように丁寧にすることや少し塩を入れて甘味をますような口伝がある。
ちなみに正月に東寺で行われる、後七日御修法の聖天尊に供えるものも、亀屋からとりよせていた。
最近では、京都の別のお店や滋賀の坂本のお菓子屋さん(宇賀神に供えるため)、千葉の成田山の御用達のお菓子屋さんでも製造しているとのことである。
歓喜団は本来は行者がつくるもので、祈願によってその中に入れるものがある。日光修験の伊矢野先生は御自身でつくられているそうだ。
いまでも妻沼聖天や生駒聖天では、お寺で作っている。揚げかたがの都合で、白い色をしている。
私もある大僧正から製法を伝授していただいたが、何せ1日がかりで大変だった。なかなか上手くつくれない。しかし、その大僧正がつくったのは見事な形で、和菓子の本に写真が掲載されたぐらいだった。