こちらでは、境内入り口ちかくに大きな豪潮塔が立っている。五体投地、宝篋印陀羅尼略念誦法を修す。
伽羅線香を焚きながら、塔を右にめぐること三度。『宝篋印陀羅尼経』には「若し此の塔に於て 或は一たび礼拝し 或は一たび右に遶らば 地獄の門を塞ぎ 菩提の路は開くべし」と説く。
八卍四千之中
「経に云わく 能く此の塔に於て 一香一華をもって 礼拝し供養せば 八十億劫の 生死の重罪 一時に消滅す 伏して願わくば」
ここで名古屋市にもどり、柳澤祈願所 長栄寺に参拝して準提尊の念誦をして、結願となった。
戦禍のあとが生々しい山門。
豪潮大和尚は、天保6年、87歳で入滅。
辞世の道歌は
「いざさらば、無一物とは申せども、置き土産には南無阿弥陀仏」「南無阿弥陀仏、なむあみだぶつと生まれ来て、南無阿弥陀仏と共に往生」
端座して準提観音の根本印を結び「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」と口に念仏を唱え三どめの「南無阿」の字で微笑み、日没時に示寂したと伝える。