三重県桑名市にある専光坊、こちらの宇佐美秀慧老師がご遷化されたと伺った。
わたしは25年くらいまえに、こちらで10日ほど内観と座禅念仏の修行をさせて頂いたことがある。いまは知らないが、当時は外国からの修行者も多かった。
真宗の結社の修道法であった身調べを、大和郡山の吉本伊信師が宗教的要素を抜いてできたのが「内観法」、それを修行した宇佐美老師が、あらたに座禅と念仏を加えて、だれもが修行できるように編成されたのが、専光坊の修行だと、私は理解している。
内観は、まず母親に対して、「してもらったこと、してかえしたこと、迷惑かけたこと」を、0〜3歳などど、年齢ごとにわけ、現在にいてるまで、じっくり時間をかけて思い出していく。次に父、兄弟などど同じことをくりかえす。
自分というものを両親、家族、周囲の人々を通して見つめていく修行である。
最低7日間は道場に籠っておこなうので、まとまった休みが必要だが、家族の問題でなやむかた、自己を見つめ直したいかたには、こちらでの修行をお勧めする。
ここでは修行中に独参という、臨済禅の指導方法をおこなっている。老師に一対一で参じるのだ。そのとき、私が宇佐美老師から頂いたお言葉が「なれてくると、手ですることを足でする」である。
供養や祈願、修行もおかげを頂いたり、初めのうちは熱心だが、なれてくると惰性になりがちになる。すると、その本義からだんたんと外れていき、気づいたときにはとんでもない方向に進むことがある。
宇佐美和尚のお言葉を胸に刻み、今後も精進していきたい。哀悼、合掌。
禅と念佛のホームページ///真宗 立田山 専光坊/// http://senkobo.life.coocan.jp/index.htm