松江堂薬局様では、閉店後『仏説療痔病経』をご病気のかたのために唱えているとのこと。
昔のお寺には医薬の心得のある僧侶がいて、拝むと同時に薬を処方していた。本来、医薬は祈りに裏打ちされていたのだと思う。
チベット版の療痔病経にはインドの伝統医学、アーユルヴェーダでつかう、ピッタとかカパなどの名称がでてきて興味深い。
大峰山などで有名な陀羅尼助は、真言陀羅尼をとなえながら作った薬であるところから、こう名付けられたという。
私の昔いたお寺でも、戦前までは金光明経に説く弁才天の香薬を処方していたところがあった。よく効果があったそうだ。いまは薬事法に引っかかるのてやめている。
いまは法律があるので、薬と祈りは分けられた。しかし、その精神を失ってはいけない。
奈良の真言律宗総本山、西大寺でも、鎮守、石落神(しゃくらくじん)にちなんで、昔は「豊心丹」という薬をだしていた。
石落神は少彦名命である。同神は、医薬の神であり、まじないの神である。神代の昔から「祈り、くすり」表裏一体だったのだ。
西大寺の石落神(しゃくらくじん)
叡尊がお祀りした。
[【西大寺石落神社】秘薬を産んだ神を祀る叡尊上人ゆかりの神社 – 奈良まちあるき風景紀行
療痔病真言はこちらに書いてある↓