修正会(しゅしょうえ)や修二会(しゅにえ)は懺悔の法要であるが、同時に国におこる災いを除く「息災」を祈願する法要でもある。
つまり、懺悔によって衆生の罪業をのぞくことで、それにより起こる災禍が起こらなくなるのだ。
いわば、潜在的にもっているマイナス要因をゼロにもっていくのである。
一方、増益法(そうやくほう)は、プラスを増やす修法である。
だから、増益法を修しても、あまり芳しくないときは、マイナスが大きいと考えられる。
そのときは、一心に懺悔をおこない、息災(滅罪)に力を入れる必要がある。
そして、本来は、息災、滅罪は同時に行うことが理想的である。
そういえは、毎年正月に東寺灌頂院でおこなわれる、国家の安泰を祈る後七日御修法では、白い法衣の息災護摩師と黄色い法衣の増益護摩師により、必ず息災と増益の護摩が同時に修法されている。