故東城百合子先生の著書『自然に生きる』地湧社刊から、「常岡一郎先生に習う天の経済学」という項目があるので、そこから一部ご紹介します。
ちなみにキリストのこのお話は、施餓鬼供養の精神にも通じると思います。
餓鬼の貪りのこころを、仏様の慈悲により満足させ救うのが施餓鬼供養だからです。
出せば天のエネルギーは回ってくる
例えば聖書の中にはキリストが5000人を養ったという話があります。
それは新約聖書に出てきますが、皆キリストをしたってお説教を聞きたくて、5000人くらいの人たちが荒野の中をキリストについていったのです。
しかし、だんだん食べ物がなくなって、みんなお腹が空いて来る。その時に、キリストがその5000人を養うという奇跡が起きたのです。
最後に食べ物がなくなって、パンが五つしかない。弟子がこれをどうやって分けるんですかと言うと、キリストがそれを祝福して感謝して皆に分けたというのです。
すると7つの籠にパンがいっぱいになって帰ってきたという話があります。
それは奇跡だというのですが、でもそれは天から降って湧いたわけではない。
イスラエルという国はほとんど砂漠ですから、旅する時はみんな飲み物とか食べ物を持っていくのです。
荒野でキリストの説教を聞こうと思ってくるからには、それだけの準備をしてきたはずなのです。
そういう時に、キリストがわずかのパンを祝福して分けてあげた。
そうしたら、それに感激したある一人の子供が自分のパンを差し出した。するとその愛の電波が皆に伝わって、皆がありだけのものを出して分け合って食べて、そして余った。
お腹いっぱい食べて余った。それが天の経済学だと手島先生がおっしゃったのです。
私は奇跡というのは天から降ってくると書いてあるので、そこがわからなかったのですが、心が伝わった時に物は生きてくる。
そして、それだけのことができるのだということが分かってた。天の経済学とはこれかと思ったのです。
まず出せばいいんだ、これが愛の経済学なんだ。沖縄でも何もない中でできたじゃないか、これを教えているのだと思いました。
出したら入ってくるというわけです。
でもこれは計算ずくではダメで、どこまでも空(から)ということが大切です。
そうすると、天の経済学というのはエネルギーで、そのエネルギーを入れればいいということです。
エネルギーは向こうに無限にあるのです。
その無限のエネルギーを入れたらいいのだと思ったのです。
これはたんぽぽの話でも同じです。
たんぽぽと繋がって、自分の中に見えないエネルギーが入ってきました。
それまで見えないエネルギーをシャットアウトして、ものだけ取っていましたが、心でつなげていけばエネルギーはこちらに入るのだという確信が生まれました。
これは、常岡先生のやり方を見て分かったのです。
そうか、じゃあこれでやってみようと思ったら、何か力がお腹の底からじわーっと出てきました。
続く