高野山出版社で出している『幸福に暮らす道しるべ』の中に、大変感銘した光明真言の不思議な話がある。
この話を読んで、平生に光明真言を唱えるのみならず、年末の納め万霊総供養に報恩謝徳のため光明真言法を修することにした。
この本は、高野山出版社のサイトから購入できる。とてもわかりやすくて良い話が載っているのでおすすめする。
佐伯泉澄 著 ◆幸福に暮らす道しるべ B6判 ¥1,760 送料 ¥500
私は著者の故佐伯泉澄大僧正からは、かつて伝授や許可灌頂を受けたことがある。伝授しながら密教の法のありがたいことに感銘されて、よく泣いていたのを覚えている。
大僧正への報恩のおもいを込めて、同著作からこの話を紹介したい。
『幸福に暮らす道しるべ 』197ページから200ページまで引用。
ちなみに、佐伯大僧正は、この仲須ラン(泉聖天尊の孫弟子ほどにあたる霊覚者)さんから、信心というものを教えられたと他の著作で述懐している。
ここから引用
鳴門の仲須ランさんから聞いたお話にこういうのがある。
昭和9年のある日、大谷の種蒔大師様にお参りして拝んでおりましたら横に1人のおばあさんが来て「信じて光明真言を唱うればいかなる願いも成就す。疑う者は迷いなり。信ずる者は仏なり」と唱えるのを聞きました。
これはお大師様がこのおばあさんの口を通して私に聞かせてくださったのだと思ってそれから光明真言をお唱えするようにしました。
帰りに村木幸次郎先生(義成註、泉聖天尊の高弟)の所にお寄りしますと
「おおやけ(概数)で良いから数取りをしておくように」と教えられました。
そのうち主人の母も一生懸命に光明真言を唱えて信心してくれるようになりました
ところがある日のこと、私(ランさんのこと)は用があって、外に出ていたので遅くなり、お昼ご飯をみんなが済ませた後で一人食べていました
すると『利夫です。お母さん』と心の中で叫ぶのです。
この利夫は三歳で亡くなった私の子ですが、
『お大師さんから便をしてきなさい、と言われたので帰りました』
『利夫さん何のことですか?』
『今すぐにわかります』とこれだけと叫んだのです。
そしたら表の間で光明真言を繰っていたおばあさんが、急に私を呼んで、
『私は泣いているのではない。なんじゃ辛いこともない。それに涙も鼻水もこんなに出てきて拭いても拭いても止まらんのじゃ。それで光明真言を拝むこともできんのじゃ。どないぞお大師様に頼んで「止まりますよう」にとお願いしてみてくれんかい』と頼むのです。
そこで私はお仏壇のお大師様に、お婆さんの願いをお願いしました。
すると言葉ではありませんが、心に思わせていただいたことは、
『この一統のうちは、どうも皆が不幸せじゃ。がこの度の光明真言を唱えることで助けてもらえる。もしこの光明真言のお唱えがなくて、前のままの無信心で行くのであったら、このお婆さんの涙の通りの状態がずっと続きます。
今度おばあさんのところに行ってみて、あの涙が乾いていて「嬉しい。嬉しい」と言って笑っていたら光明真言のお唱えの功徳で、一統うちに嬉しい事が来るという知らせです。
おばあさんの涙はこれで乾きます。
そしたらあとで、一統うちの涙は乾いて、喜べる時が来るということを、お大師さまが知らせてくださったのだ、とお受け取り下さいよ』
ということでした。
続く
お知らせ
12月29日から31日までの三日間光明真言法を修行して、報恩謝徳の納め万霊総供養を行います。
光明真言石碑