光明真言の不思議その1 - 大森義成 滅罪生善道場 密教 善龍庵
上記、「光明真言の不思議その1」からの続き
そこで私は、外にいた主人の所に行って、
『今こんな不思議なことがありました。お父さん、帰って見てお婆さんの涙が止まっているか見てあげて下さい』と言いました。
主人は仕事を止めて、家に帰りました。私も家に入って、
『おばあさんどうですか?』
と問うと、
『まァお母さん、よその人を拝んであげても、こんなにお大師様はよく聞いてくださるのかい。私はもう涙が止まって、何が嬉しいのか知らんけど、もう嬉しゅうて嬉しゅうて、今度は笑いが止まらんのじゃ』
『おばあさん、ありがたいなァ。これは光明真言を唱えて信心していたら、涙が乾いて、後でみんなが喜べて幸せになれるという、お大師様からのお知らせじゃと』
あァそうかい。それはありがたいな。光明真言ありがたいな』
と話し合っていました。
そこへ引き合わせたというものでしょうか。母屋のモトエさんが来、新宅の信子さんも来ました。そこでこの話をすると、
『今はまだ泣きたいような辛いことや、心配事があるけれど、みんなで光明真言を繰っていたら、親類中がみんな喜べるようになるという、お大師様からのお知らせを頂いたのじゃな』
と喜びあったことでした―という。
その後一統七軒も、おかげさまで幸せの道に向かわせていただいている、とのことである。
中略
(この話を受けて佐伯大僧正は次のように締めくくっている)
さてこの世の人生は、嬉しいことばかりではない。悲しいことや苦しい時がある。だがそれに負けてはならない。辛い時には信心をすることである。真言を唱えることである。
根気よく続けるならば仏天のご加護を頂いて必ず救われる。
どんな辛い涙でもいつか乾く時が来る。それには明るい方向に心を向けた信心が近道である。
思い出したならば、いつでもどこでも心の中で好きな仏様の御真言を唱えているならば、一枚一枚紙を剥ぐようにいつか笑える時が来る。仏天は公平で正しいものに手を貸してくださるからである。先を楽しんで前向きに進みたい。
以上は、佐伯泉澄 著『幸福に暮らす道しるべ』から引用した。
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お知らせ
善龍庵では、12月29日から31日までの三日間、光明真言法を修行して、報恩謝徳の納め万霊総供養を行います。