大森義成 滅罪生善道場 密教 善龍庵

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光明真言の不思議その3

これは佐伯大僧正が書かれた『密教瞑想法』(高野山出版社)という本の中に記されているお話。

この本は残念ながら絶版である。

同著の202ページから205ページより引用したい。

昭和19年12月のお話である。

 

ここから引用

ここで仲須ランさんが唱えられた光明真言が、臨終の北田リク(昭和19年12月14日88寂)さんに届いてたというお話を申し上げたい。

 

リクさんはランさんの生家のお隣の方で、リクさんの方がだいぶん年上であった。

そういう関係で親しい間柄で、後年ランさんのお導きで光明真言を熱心に唱える仲間にもなられた方である。

 

リクさんはお元気であったが、お亡くなりになる前に数日床に就かれた。そして12月14日の朝、

「今晩の午後7時に、ご先祖様がお輿(こし)を持って迎えに来てくださるから、私はあの世に行く。来られる子や孫を呼んでおくれ」と言われた。

 

そこで子や孫を呼んで、枕元に集まってぐるっと座ると、

「私ランさんに教えられて、光明真言を唱えて幸せに暮らさせていただいた。あなたがたも幸せに暮らそうと思ったら、信心することを忘れないようにくれぐれもしてもらいたい。○○さんありがとう。○○さんありがとう。あなたはこういう事に気をつけなさいよ」と一人一人の名前を呼んでお礼を言い、

 

それから今度は「ご先祖様がお迎えに来てくださった」と言って、いちいちに親しげにご挨拶をした上で、

「あさだの森の御殿に参れてありがたい。仲須ランさんに肉の口でお礼が言えないから私があの世へ行ったらすぐにランさんの所へお礼に行っておくれ」

とコンコンと娘の小林ナカエさんに頼まれた。

 

そして両手を合わせて光明真言、大師宝号を唱えて、

「それでは、さようなら」と言って息を引き取られたのは、ちょうど午後の7時であった。

 

周りの人達はまるで荘厳な極楽参りを目の当たりに拝ませてもらっているような心地であったという。

 

その4へ続く。

 

お知らせ

善龍庵では、光明真言法を報恩謝徳のために修行してご供養する「納め万霊総供養」12月29日から31日まで修行します。


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