修行者からの感想を読んでいると、しばしば不思議な体験はしなかったが心は穏やかであったり安らかだったと書いてある。
私自身は「不思議な体験」と「心のやすらぎ」、どちらに重きを置いているかと言うと心のやすらぎである。
これを「安心」と書いて「あんじん」と読む。一般的には自分が信仰する一番のよりどころ的な教えの意味で使われているが、やはり本当に心がやすらかになることが大切だと思う。
なぜなら私は、自分自身の心の苦しみを解消したくて密教の世界に入ったからだ。
入ったからといってすぐに心のやすらぎを得られたわけではない。
長年、様々な修行を行って試行錯誤を重ねていくうちに、少しずつ深めていっているのである。
その中で特に実感があったものを、一般の方がやりやすいように工夫してお伝えしているのである。
だから、心が穏やかになったり、円満になったり、満たされた気持ちになったという報告をいただくと『それが一番の功徳なのですよ』と返信させてもらってる。
そして心がやすらかになると自然に環境もやすらかになるのである。
さて、修行をしているうちに、やすらぎどころか怒りが湧き上がってくるということもある。
それについてはまた別に書きたいと思う。