回向文 えこうもん
願わくは此の功徳を以(もっ)て
あまねく一切に及ぼし
我らと衆生(しゅじょう)と
皆ともに仏道を成(じょう)ぜん
回向文は一人で読経しても必ず最後に唱える。
ここに深い仏道精神が現れている。
それは【我らと衆生と皆ともに】である。
衆生とはこの法界の生きとし生けるものである。
「我ら」とは。
もちろん大勢で唱える時には「我ら」というのは相応する。
それは滅罪会や敬愛会などの合同行事でも同じである。御同行とともにという意味に通じる。
それでは一人で供養や修行する時はどうなのだろうか。
たとえ私一人が懺悔や読経、施餓鬼の供養をしても、そのとき目には見えないがご先祖様達をはじめ、守護霊、諸天善神御眷属までがその道場に現れる。ゆえに「我ら」なのである。
私だけが仏道を成ずるのではない。
皆ともに仏道を成ずるのである。