大森義成 滅罪生善道場 密教 善龍庵

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過去は過去に置いてくる

諸々の妄想なくんば唯心清浄なり。

弘法大師 『一切経開題』)

妄想を起こさなければ心は清らかで安らかである。

 

 

私たちは過去で体験したものを記憶として持っています。

 

悩みの多くは、それを今に持ちだしてきて、その記憶がまさに今起きているがごとく、あれこれやり取りをしているのです。

頭の中で昔の映画を見てるようなものです。

 

あるいはそれを素材にして、将来に対する不安を作り出します。

 

これは生き残るための脳の作用なのですが、過度に悩むのは自分をいたずらに苦しめるだけです。

 

ただしその考え事を無理やり止めようとすると逆効果です。

 

私たちの苦しみは抵抗すると強くなると言われております。

 

じゃあどうしたらよいのかと言うと、

色々あるのですが今日は三つの方法をお伝えします。

一つ目は真言陀羅尼やお経を唱えて心を清めることです。

その時に仏様に全部お任せする気持ちで拝むと良いです。お任せするというのはこういう悩みがあるので仏様お任せしますと心の中で念じるのです。あるいは言葉に出しても良いでしょう。

 

二つ目は専門のノートに書き出して仏前やご神前にお供えおくことです。

仏様は私達の煩悩をお供物にしております。

 

その時は文章ではなく、単語で書くと良いです。文章で書くとまた思考の世界に取り込まれていくからです。

寺社仏閣にお参りして絵馬や護摩木に書いてもいいですね。

 

そして、三つ目は過去は過去に置いておくことです。

まずは心の中で妄想していることに気がつくこと。気が付いたらそれを何とかしようとせず、「過去は過去に置いてくる。シリソワカ

と何回も心が落ち着くまで唱えると良いでしょう。シリソワカは過去を無かったことにするのではなく、それはそれで真言の力で祝福浄化するということです。

それも厳密に押さえつけようとしてやらずに気軽に唱えることです。

 

この方法のやりやすい所から適宜行ったらよいです。

 

それらの妄想が止まってしまえば心は本来の清淨を取り戻すのです。

 



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ろうそくのろうは煩悩、炎は智慧を表します。

煩悩を燃やして智慧に変えるのです。