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『弘法大師のみ教えを慕って 因縁・霊 ー恐怖からの脱出』から その1

故佐伯泉澄大僧正の『弘法大師のみ教えを慕って 因縁・霊ー恐怖からの脱出』(高野山出版社・絶版)という本を読んでいたら、なるほどなと思うことが書いてあった。

 

佐伯大僧正はかつてテレビにも出ていた有名な某霊能者(故人)に10年ほど師事していたが、たいへん脅されてとても怖い目にあったそうだ。思い切ってそこからはなれ安らぎを得たという体験から気づいたことをまとめた本である。

 

わたしはその話を直接大僧正からお伺いしたとき、こころあたりがあったので、k霊能者ですか?と尋ねたら、「そうだ」と返答があった。

 

正しい信仰は恐怖で縛られるのではなく、安心によることが大切だという大僧正のお考えは私たちに大いに参考になるとおもうので、一部ご紹介する次第である。

 

ちなみに大僧正は、その後も霊能者が大好きであると言っていた。つまり霊能肯定派である。ゆえに心霊科学の成果ということも肯定的である。そこが前提になっていることを前置きしておく。これを読んでの判断は各位にお任せする。

 

私は特に⑥⑦⑧が最重要だと思う。

 

霊能者に注意すべき点 八ヶ条

 

①霊能を起こさせるものに善霊と悪霊があって、悪霊でも霊能を起こさせる。悪霊による霊能はひどい目にあわされる。

 

②悪因縁の家の人に霊能発揮することが多く、これは危険で高級な守護霊団と結びつかない時は、その霊能のために最後に身を破滅する

 

③除霊(霊を除ける)を退ける目的のために、霊能発揮を求めて精神統一の修行をすることは邪道である。迷える霊を向上(成仏)させるより他に真の除霊はない。

 

④霊能発揮目的のために、その修行することは、悪因縁霊や邪悪霊に憑依される恐れがあって最も危険である。

 

⑤心霊研究家アーネスト・w・オーテン氏の統計によるとー霊能者(霊媒)の75%は自己意識で言っており、霊との通信ではない。

20%はある程度の証拠を提供できる人。残りの5%の人だけが正しい霊能者であると。

 

⑥霊能者は因縁とか霊による絶対支配者となって、その指導を受ける者は、その先生の言いなりになるより他はなく、他者の批判を許さない指導となる危険がある。

 

⑦霊能者の指導は、悪因縁とか迷ってる霊の救済にあって、その貴重な成果もあるが、結局のところ因縁とか霊による霊的恐怖に陥って真の安心(あんじん)に至らない恐れがある。

 

⑧霊能者による救いは、因縁の法則の範疇の中であって反面の救いであるが、因縁を超えた本有本覚、実相平等門の救済原理に欠けいるきらいがある。

 

と述べられた後に大僧正は

 

「思うにもしも某霊能者から、私の動物霊云々と言われて、恐怖のどん底に落ちることがなかったら私は霊能者に随従した真言僧となっていたことであろう。

この体験によって私はお大師さまの本有本覚(義成註、因縁因果の法則を超えた、本来私たちの中に仏様があり、本来覚っているという密教の深い教え)の教えの有り難さに本当に目覚めさせて頂いたのである。

いっときは恐怖に怯えたが、今はこの恐怖の体験があったればこそ私にとっての有難い機縁であったと思っている。

 

真言僧は霊能者に全面的に随従すべきではない。心霊科学や霊能者の成果の中で、取り入れるべきものはありがたく取り入れさせていただくとともに、そのマイナス面である因縁や霊や一部の宗教からの恐怖を取り除いてあげる役目を果たすべきである。

その救いの原理と実際は真言密教の教義と修法の中にある。これが現在の私の到達した揺るがぬ信念である。

お大師様のお弟子にしていただいて本当に良かったと感謝している。私はまた救って頂いた」

続く

 

 

 

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