大森義成 滅罪生善道場 密教 善龍庵

懺悔 供養 祝福 報恩 敬愛 (c)善龍庵 大森義成 禁無断転載

仁王経偈(にんのうきょうげ)

平和の祈りのために、各自が行っている普段の勤行に、次の仁王護国般若波羅蜜多経護国品第五の偈を加えるとよいと思う。

どこで加えるかは任意だが、わかりやすいのは観音経や般若心経など経典のあとがよいだろう。読み方は総本山智積院版『仁王経護国品』を参考にした。ちなみにこの偈は聖天さまなど天部の修法のときに法楽としてとなえることがある。

 

劫火洞然(ごうかどうねん)として  

大千(だいせん)倶(とも)に壊(くず)る  

須弥(しゅみ)と巨海(こかい)と

磨滅(まめつ)して余(あま)り無し 

梵釈天龍(ぼんしゃくてんりゅう)

諸(もろもろ)の有情等(うじょうとう)
尚(なお)皆(みな)殄滅(てんめつ)せん

何(いか)に況(いわ)んや此身(このみ)をや  
生老病死(しょうろうびょうし)と

憂悲苦悩(うひくのう)と

怨親逼迫(おんしんひっぱく)し  

能(よ)く願(ねがい)と違(たが)う
愛欲(あいよく)の結使(けっし)  

自(みずか)ら瘡疣(そうゆう)を作(な)す  

三界(さんがい)安(やす)きことなし
国(くに)に何(なん)の樂(たの)しみか有(あ)らん  

有為(うい)は実(じつ)ならず  

因縁(いんねん)従(よ)り起(おこ)る
盛衰電轉(せいすいでんてん)じて  

蹔(しばら)く有(あり)て即(すなわ)ち無(な)し  
諸(もろもろ)の界(かい)と趣(しゅ)の生(しょう)は 

業縁(ごうえん)に随(したが)って現(げん)ず  

影(かげ)の如(ごと)く響(ひびき)の如(ごと)く  

一切(いっさい)皆(みな)空(くう)なり
識(しき)は業(ごう)に由(よ)って漂(ただよ)い  

四大(しだい)に乗(じょう)じて起(おこ)る  

無明(むみょう)と愛縛(あいばく)は 

我(が)と我所(がしょ)より生(しょう)ず  

識(しき)は業(ごう)に随(したが)って遷(うつ)り

身(み)は即(すなわ)ち主(しゅ)無(な)し
應(まさ)に知(し)るべし国土(こくど)の

幻化(げんけ)なるも亦(ま)た然(しか)りと