真言密教の視点からみると、ご先祖をお祀りする仏壇は、仏様の浄土をあらわしている。ゆえに仏壇はもっとも清浄なものである。
仏壇の中央には、ご本尊がお祀りされている。いいかえれば、立体曼荼羅である。
そこに、ご先祖のお位牌をお祀りするのは、ご先祖が曼荼羅の一員であり、浄土に在ることを示している。
そして、その前に座して拝むとき、私たちも曼荼羅の一員となり、いまご先祖とともにあるのだ。ちなみに、日本の神々も曼荼羅の一員ととらえる。(胎蔵曼荼羅の最外院)
その浄土から、ご先祖が私たちを守護する神となってあらわれる。
それは胎蔵曼荼羅の最外院が、大日経の三句の法門の最後の句、方便究竟(ほうべんくきょう=巧みなるさまざま手立てにより衆生を救済することの成就)に配当されてることからもいえる。