霊的な脅しからの脱出 - 大森義成 滅罪生善道場 密教 善龍庵
この話には後日談がある。
それは佐伯大僧正からお伺いした話
『真言密教の霊魂観』(朱鷺書房刊、絶版)の中にも少し触れられている。
大僧正がこのような話を本に書いたのは、その霊能者が亡くなってからである。
ある時、高野山で伝授を頼まれて、行くことになったが強烈なめまいがするようになったそうだ。
その時、霊界から霊能者に呪われてるなと感じたそうである。霊能者のことを本に書いたからというのが理由だった。(もしかしたら、まだ洗脳がとけていなかったのかもしれないが)
そこで大僧正がとった方法は、その霊能者が生前に守護神としていた水天さんを丁寧に供養して拝んだのだった。
するとそのめまいは治ってしまったという。
相手の上をいったのである。
もし相手の念持仏がわからない場合は、自分の信仰する仏様を一生懸命拝めば守られるのである。その時は自分の信仰する仏様とつながっているのを、体の感覚で感じるように意識すると良い。
さて、相談に行くと、なんでもかんでも霊の影響という人がいる。
きつねや蛇のせいにする人もいる。
狐や蛇が迷惑している。
一番怖いのは人間だ。
たまにお坊さん、みたいな人でも、なんでもかんでも霊のせいにする人がいるので、こまったことだ。
実は、目に見えない霊の責任にするのは簡単。
なぜなら、わからないもののせいにしておくのが楽だからである。
そういうことにして、「はい!除けました!」といわれると、
心理的な働きで一時よくなることもあるが、また同じことがおきる。
なんどか、そういう光景をみたが、滑稽であり、罪作りである。
そして、それを繰り返していると、悩みが悪化することがあるので、気をつけられたい。
自分の信仰する仏さまを常に念じて、そのご加護をうけ、つながりを感じることが大切である。