私たちには承認欲求があるので、多くの人の心の中には、大なり小なり他者から認めてもらいたい、という気持ちがあるのは自然なことである。
ただし、社会の中において、今の自分の状態にふさわしい評価を受けられるかどうかはわからない。なぜなら、そういう評価は上司や会社など、他者が決めることだからである。
あるいは、他者から良い評価を受けているのも関わらず、その承認欲求が満たされないので、さらに頑張りすぎたはてに、燃え尽きることもある。
密教では、私たち一人一人に菩提心が本来有ると説く。それは、あらゆる願いをかなえる如意宝珠である。つまり、私たちは本来尊い価値が具わっているのである。
ただ、迷いの霧がかかって、それに気づいていないだけである。
そのためには、修行や供養を通じて気づきを深め、少しづつ迷いの霧がはれると、その宝珠は自然とあらわれて光を放つ。すると周囲は次第次第にその価値に気が付くだろう。
まずは、自分のなかにあるさまざまな価値を少しでも認めること。いいかえれば、自分軸づくり。ここが第一歩である。
