私の母方の親戚は、必ず毎年8月15日になったらみんなが集まって、お墓参りに行くという習慣があった。小さい時から毎年両親に連れられて行った。
父方は三々五々、自分達の都合でお参りに行くという感じだった。
集合場所もお墓の近くの東屋で、墓参が済んだらその東屋でいなりずしやら枝豆やら スイカなど食べるので、それが楽しみだった。
東屋のそばには水道と手桶が用意されていた。そっせんして手桶に水を汲み、墓に持って行った。
私は中学生の時から般若心経を唱えていたので、その年頃のお墓参りの時、おじさんから「お経を唱えて」と言われて拝んだものである。
頼まれてご供養するようになったのはこれが初めである。
この時はよもや僧侶の仲間入りをするとは思ってはいなかった。
後年、人様のために拝むようになったのはご先祖様のお導きなのであろうか。
小学生の時に亡くなった母方の祖母は、信心深く弘法大師様を信仰していた。
その時のおじさん、おばさんの数人は逝去しているが、日々の施餓鬼で名前を唱えて往時をしのんでいる。