人間の悩みの9割が人間関係であるという説がある。
たしかに、その部分は大きく占めている。
だから寺社にも相手を動かしたり、変えようとする祈願を申し込んでくる例が多い。
それは無理もない話だと思う。
しかし、今までの経験からいって、それは非常に難しい。
なかなかうまくいかない。なぜなら人は他人からの干渉により動かされることに抵抗を感じるようにできているからだ。これはある意味、自己の生命をまもる作用なのである。
だから理屈は通じない。本能的なものである。
それが神仏に祈願しても、祈願主の当の他者を動かしたい願望が、非言語的に相手に伝わるのではないかと思っている。
そういう時にはどうすればよいのか、いろいろあるが、まずは自分を整えることである。意識を他者から自己へむけるのだ。
それは自分のご先祖や守護霊などを充分に供養し、懺悔滅罪を修めること。
無心に相手のための施餓鬼をすることなど。
そうすると、自然に相手の緊張や抵抗も無意識的に減ってくることが多くみられる。
家族に言わないのに、家族のために供養していたら、いろんな良い変化がおこった話の報告をしばしば受ける。
それはまず、その人自身が変わったのである。自然にそれが周りに波及していったのである。
急がばまわれ!である。