流水灌頂で故人をご供養する。
奥之院に流れる玉川は本来参拝者が手足を清める川であったようだ
その名残で水行する場所がある
御廟(みみょう)の橋
玉川に架かるこの橋は金剛界三十七尊をあらわす。橋の下には、その梵字が刻まれている
この橋の奥からは写真撮影が禁止されている。
正面が灯篭堂、その奥に御廟がある。
この橋を渡る時に僧侶は次の本覚讃の前段を唱える。
帰命本覚心法身(きみょう ほんがく しんぽっしん)
常住妙法心蓮台(じょうじゅう みょうほう しんれんだい)
本来具足三身徳(ほんらい ぐそく さんじんとく)
三十七尊住心城(さんじゅうしちそん じゅうしんじょう)
高祖弘法大師は弥勒菩薩(慈氏尊・じしそん)の化身、三地の菩薩である。
高祖御廟御宝前にてご法楽
施主、修行者、代理修行者、御同行各位の滅罪生善、吉祥成就をご祈念。
報恩謝徳と同行二人の自覚をあらたに、また娑婆へと向かう。
ありがたや 我が心中の蓮台に 大師はともに おわしますなる(義成)
ちなみに、高祖御廟には丹生、高野の両大明神と白髭大明神(お稲荷様)が祀られている。そして、奥之院は祖霊崇拝の要素がみられる。
故永田大僧正は昔、奥之院の行法師であり、白髭大明神の真言を伝授していただいたので、それを念誦。
焼ける前の燈籠堂の本尊であった弥勒大師
○と△の独特の光背には光明真言が刻まれている。この光背は五輪をあらわすようだ。
『弘法大師影像図考』(水原堯栄著 大正14年3月1日刊)より転載
現灯篭堂は日輪大師をお祀りするとのこと。
あなうれし、行くも帰るもとどまるも、我は大師と二人連れなり
つづく