思うようになったせいで、不幸になることもある。
思うようにならなかったせいで、結果命拾いすることもある。
本当のご利益は仏天にお任せしたところからやってくる。
仏天の視野は無辺だから、先の先まで見通している。
だから、順境にも逆境にも、ともに掌をあわそう。
そんなことも踏まえて、故松本実道長老のご法語を紹介します。
何事も思うようになるだけが恩寵でない。
ときには過酷なまでに
慈悲(愛)の鞭で打たれる事もある。
この鞭をどううけとるかによって
将来の是非が定まる。
雲のかかるは月のため
風の散らすは花のため
雨と風とのありてこそ
月と花はめでたけれ(熊沢蕃山※)
※江戸時代初期の陽明学者。死語その思想はとくに幕末の倒幕派に影響を与えたという。