わが心が感謝と歓喜に満つるに至ったならば、その人は天下無敵となる
(前略)
とは言えこのような心境に徹するのは容易な事ではなく、また一朝一夕のことでもありません。まず過去世からの悪業の因縁を清算し、ものごころついてからあとに作った現世の悪業も清算し尽くした上にて、心身を浄化し、胃腸その他の内臓にも乃至血液の中にも、不純がなくなることを要します。
それは難しいには違いないが、到底達成られぬというものではない。盤珪禅師(ばんけいぜんじ)のいわゆる「仏心は不生にして霊明なるものである」こと。
「皆親のうみ付けたもったは、不生の仏心一つでござる」
ことが体得できれば、それでよいわけです。
橋本徹馬著『人生を楽観すべし』紫雲荘刊
※大森談
ここで興味深いのは、橋本師が単に精神修養を説くだけでなく、悪業の消滅と、現実的に身体を整える「調身」が重要であると述べている点です。
滅罪は精神の浄化と深く関わっています。
滅罪の方法としては、懺悔や真言・陀羅尼の念誦が、古来より大切な修行として行われてきました。
そして身体が整うと、心も整っていきます。
心と体は表裏一体です。
(橋本師は断食を勧めていますが、私は適切な食事・運動・体操などでも十分であると思います。)
こうして心身が調うと、感謝や喜びの気持ちが湧きやすくなり、運命も開けてくる。
それに伴い、不安も自然と薄らいでいきます。
続く
