弘法大師は『般若心経秘鍵』の中で「真言は不思議なり、観誦すれば無明を除く」と説かれている。
私は悩みがあるときにはひたすら真言を念誦してきた。すると不思議と何とか道が切り開けていくものだ。もちろん、宿業のためにどうにもならない事はたくさんある。しかし、真言をとなえると、それらを受け入れる気持ちになっていく。
悩み苦しみがある人は、自分の信仰する仏天の真言を無心になるまで何度でも念誦してみるとよい。その人に応じた功徳がある。
悩みで寝れないときは、寝床の上で良いから端座して合掌し、真言を静に唱えると心が楽になっていく。
車を運転するときは、真言を唱えて道中安全並びに周囲の車等の安全を祈ると、無事順調に目的地に着く。
わたしの知人が、仕事に行き詰まっていた時、真言念誦を勧めた。彼は真面目に朝夕に各々千遍づつ、ある仏天の真言を唱えつづけたら、一年ほどで不思議と仕事に恵まれ、大森先生の言うとおりだと感謝された。
しかし、悩んだり、行き詰まりを感じると焦るのは無理もない。
そんな方に泉聖天尊のお言葉をご紹介する。
心の糧として頂きたい。
「何事も神にたのめ、わが心ばかりで苦労するな」
「取り越し苦労をするのは神に不足を言うのと同じ事」
「悪いことを言うてまつな、神にしっかりたのんで、待つ以上は楽しんで待て。これだけで幸運が向いてくる」
「すべて物事には時節がある。その時節のめぐりが待てず、あくせくと心にせくのは、神にご無礼じゃ」
「困った時、心の向けようで幸運にも不運にもなる。心の運びかたが最も大切。運ははじめから、こうと決まっていて、動かせぬものではない」
梵字「ア」字と南無大師遍照金剛の石碑