自分の帰依する神仏にお任せする。
それはどういう心持ちか。
『お稲荷さんと霊能者』の中で、砂澤先生の話として「お稲荷さんは生き神様です。もたれかかったらそれにこたえてくださいます」とある。
ここが肝。
本当にもたれかかれるか?
(誤解してはならないのが、狂信的になり、全財産をさしだすような意味ではない)
もたれかかるとは、力を抜いて任すこと。
力を抜いた分だけ、支えられる。
作用反作用の法則である。
しかし、自分の力を抜くのは本当に難しいものだ。
すぐにはできない。あれこれ考える。緊張する。そこに気づくのが第一歩。
だから、無心にお山をしたり、日々礼拝を続けるのは任せる行なのだ。
(体でも脱力できないときは、一度より緊張させると力を抜きやすい)
支えられると、安心する。
さて、私の好きなお話をご紹介。
妙好人、因幡の源左さんは、ある日、牛(この地方でデンと呼ぶ)を連れて草刈りに行った。
刈った草のたばをデンに乗せ、一把(いちわ)だけ自分が背負って帰ろうとすると、急におなかがキリキリ痛くなった。
それで、その一把をデンに乗せると、楽になった。
その瞬間、源左さん「ふいっとわからしてもらった」と。
達磨像 豊川稲荷東京別院にて
その姿は任せきった姿