大森義成 滅罪生善道場 密教 善龍庵

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地神供養

5月3日から夜は堅牢地神(地天)を供養する地天供を修法している。

 

大地の上に住まわせていただく日々の恩恵に対する報恩謝徳と、このご時世なので、善龍庵での施主並びに修行者の福徳円満を祈っている。

また最近、土地に関係する施餓鬼供養を多く依頼されるので改めて堅牢地神に法楽を捧げている。

 

大地に作物が実り、宝物が取れるように堅牢地神は福徳を授ける功徳がある。

 

お釈迦様が悟った時に、堅牢地神がそれを証明したように仏教とは切り離すことができない存在だ。

密教行者は修行するにあたり大地に曼荼羅を作るので、まずは堅牢地神から土地をもらう作法をする。室内の木壇で拝む現在でもその作法は行われている。

 

また、堂塔伽藍を建立するときも地鎮鎮壇法を修する。

堅牢地神の加護無くしては修行が成就しないのだ。

 

さらには真言密教の重要なある法会では、大阿闍梨は国土安穏を祈るのに地天を供養するのである。

 

堂塔伽藍以外の家屋などの建物や墓地など、何か土地に建てるときには、土公供という土地に穴を掘り、あるいは土壇を作り、土公神(五帝龍王)を祭り供養する。

 

余談だが、ある本山の宗務所を建立する時に土公供を行った。私がその準備を全て請け負うことになった。打ち合わせに来た建築業者が珍しいので撮影させてくれと言ってきた。

 

本来は施餓鬼と同様に、この作法は人には見せないのだが、そこの業者は寺社建築に優れたところだったので特別に許可したのを記憶している。

 

すでに建物やお墓があって、そこの土地に何らかのマイナス要因がある時には、私自身は施餓鬼供養で対応している。可能であれば定期的に供養することが望ましいと考えている。

それは土地の因縁というのは解除するのには時間がかかるということをある方から伺ったからである。特に歴史的に古い場所、戦乱のあったところ、古墳などはなかなか厄介ということだった。

 

私が加持祈祷の伝授を受けた某大僧正は、ある有名な古墳の発掘する時に怪奇現象が起こるので、それを鎮めるために現地で供養したと言っていた。あと墓石や石などは因縁が深いということだった。

 

泉聖天尊の逸話の中に、ある人が自分の先祖の特に立派な墓石を売ろうとして、それを誤って川に沈めたために水を見るとてんかんを起こす病気になったとの話がある。

 

あと運命学の研究者から、先祖供養や功徳を積んでいるのにもかかわらず、なかなか開運しない人は墓の風水が悪い場合があると教えていただいた。墓の風水を直すというのは難事業であるので、その土地の土公神を供養して、少しでも改善するように祈ることが必要だと思う、

 

土地の因縁という言い方は少々疑問を感じるが、正しくはその土地に作用する霊の働きと言った方が良いかもしれない。

私は恩師から大地には様々な霊の働きがあると伺った。やはり足元の供養をおろそかにしてはいけないのである。