七仏通戒偈は仏教の重要な教えである。
諸悪莫作(しょあくまくさ) ― もろもろの悪を作すこと
衆善奉行(しゅぜんぶぎょう) ― もろもろの善を行い
自浄其意(じじょうごい) ― 自ら其の意(こころ)を浄くす
是諸仏教(ぜしょぶっきょう) ― 是がもろもろの仏の教えなり
(「衆善奉行」は漢語訳によっては「諸善奉行」とすることもある。)
以上はWikipediaから引用
先日紹介した『準提法彙(じゅんていほうい)』に「準提信仰扎記(じゅんていしんこうさつき)」という章があり、了凡四訓を引いて、七仏通戒偈で解釈している。了凡四訓は下記過去記事参照。(※扎は結ぶ、くくる、束ねるの意味)
参考記事
『陰騭録(いんしつろく)』と準提真言 - 大森義成 滅罪生善道場 密教 善龍庵
念頭動かざるに到って則ち霊験あり - 大森義成 滅罪生善道場 密教 善龍庵
ざっとかいつまんで述べると、
いままで奔放な生活だった袁 了凡が、自分が罪障を積むことを、天地や鬼神が見ていているのではないかと恐れつつしむようになった。
それが「諸悪莫作(しょあくまくさ)」にあたる。
そして袁 了凡が、三千件や一万件の善事を行うことが「衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)」
そして、雲谷禅師から準提呪の伝授を受け、日々念誦することで、妄想、思慮を離れて無念無想を心がけるのが「自浄其意(じじょうごい)」であると。
総じて了凡四訓が、単に現世の願望成就や立命の書にとどまるのではなく、仏教の重要な教えにもとづき、菩薩道に入るための書であるといえるのだと。