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辯財天一印法

べんざいてん いっちん ほう

と読む。関西だと「べざいてん」と読む方もいる。

天川で弘法大師がこの法を拝むと、龍が現れ宝珠を奉った。あるいは竹生島で弁財天から、石山寺第三代座主、淳祐内供(しゅんにゅうないく)が、この法の真言をさずかったと伝えられている。

 

はじめてこの法を知ったのは学生時代、ある寺のご住職が、毎朝本尊様をおがんだあと辯天堂で修されていた。ご住職いわく、そのお寺の総本山の長老さんから、「わしも毎朝拝んでいる。霊験あらたかだから、おまえに伝授してやる」といわれ、それから修するようになったそうだ。

 

高野山では辯天様がよくお祀りされ、この法を拝む方が多い。

私も何人かの阿闍梨さんからご伝授いただき、またご縁の深い真言や天台の僧侶に、お授けさせていただいた。作法に諸伝ある。

 

ちょっと面白いなと思うのは、この法に出てくる真言八大竜王を拝む時に唱えられているのを見聞したことがある。

 

弁財天の法には様々なものがあり、多くは二臂で琵琶を持っているお姿を拝むものである。

しかし、実際信仰されているほとんどは日本で感得された八臂、十臂、宇賀神のお姿である。

それに対しては大弁(財)功徳天法、宇賀神拾臂次第など特殊な修法が編じられているが、どれも長い。

 

それに比べて、この一印法は短くて早くおがめ、霊験あらたかである。

そういうことで今朝も拝み、ご同行の福徳円満をご祈念させていただきました。


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善光寺蓮華院様にて撮影