不空三蔵訳『一切如来心秘密全身舎利宝篋印陀羅尼経』にそのいわれが説かれている。
あるとき密教のお釈迦様が、マカダ国の無垢園の宝光明池に在って、大菩薩および大声聞、天龍八部など無量の大衆に説法をしていた。
そして、お釈迦様はその中の一人である無垢妙光バラモンの招きに応じて彼の家に供養を受けに行くことになった。
その途中に豊財園と言う場所があり、そこにがれきに埋もれ、草に覆われた一つの古びた朽ちた塔があった。そこにお釈迦様が行くと、その古びた塔は頂から大いなる光明を放って、妙なる声を出し「善哉善哉」とお釈迦様と無垢妙光バラモンを賛嘆した。
お釈迦様は塔を右に3回まわり、自分の袈裟を脱いで塔の上を覆ってハラハラと涙を流され、そのあと微笑まれた。そのとき十方の諸々の仏たちも皆涙を流し、光明を放って塔を照らした。
そこで金剛手菩薩がこの不思議な瑞相の意味を伺うと、これは大全身舎利の積聚する如来の宝塔で、なかには宝篋印陀羅尼(ほうきょういん だらに)が収められていると説いた。
そのあとこの塔を供養礼拝する功徳と陀羅尼を唱える様々な功徳が説かれた。
その功徳の一部を紹介すると、この宝篋印塔を礼拝すれば重罪が消え現世に災いが無くなり、来世は仏のみもとに生まれる。
もし悪人がいて、死後地獄に落ちて絶え間なく苦しみをうけても、子孫が亡者の名前を唱えてこの陀羅尼を7遍唱えれば極楽に生まれることができる。
もし塔の姿を見る、その鐸の音を聞き、その影にあたることがあれば罪障消滅する。
など功徳が多い。
実はこの塔こそ我々衆生が本来もっている菩提心なのである。それを我々は煩悩の草やがれきで覆って隠しているので、それをみてお釈迦様は泣かれたのだ。
しかし、それに気づいて修行すれば本来の光を放つので、微笑まれたのである。
宝篋印塔を礼拝し、陀羅尼をとなえて先祖を供養することをつうじて、我々は心の中の宝もの(菩提心)を現すことができるのである。
宝の篋(はこ)よ、開け!
宝篋印陀羅尼法による秋彼岸の先祖供養の申し込み締め切りは20日までです。
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宝篋印塔