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[豪潮大和尚の加持力 その1 - 大森義成 滅罪生善道場 密教 善龍庵
その1でおこったことと同様のことは他にもあった。秋月の城下にいた何某の母は、殺生もせず、人に対しても善根を施していた。
しかし、臨終のときに娘に愛着の念を残してしまった。その娘も嘆き悲しんで、母の後を追って自分も死ぬと言いだす始末。
そこで豪潮大和尚の加持をうけると、
「自分は娘に対する愛着のため、そして娘が私に対して嘆きかなしむ。その執着により私は地獄に堕ちていたが、大和尚の加持力により成仏できる。
常に善いことしていても、臨終に愛念を残してはいけない。遺された子供も、亡き親を慕ってあまり嘆いてはならない。死んだものが、地獄に生まれる原因となる。私を手本にして、嘆き悲しむのではなく、光明真言を唱えてください」
と言いながら成仏していったのだった。
(義成注、この話に関しては現実的には、難しい側面がある。身内や大切な人を亡くせば悲しいのは自然なことである。そのときは適切に悲しむとともに真言念誦や施餓鬼供養をすることが、今、故人に対してできることなのだ。以下の関連記事もあわせてご一読頂きいたい)
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大和尚ゆかりの京都、積善院準提観音堂