星に祈る会にあわせて三宝荒神(如来荒神)の掛け軸をお祀りしました。
荒神さんには方位の災いや塞(ふさ)がりを除く功徳があります。
私は昔、奈良の御所寶国寺、前住職、故永田覺範大僧正から荒神供の伝授をうけました。
そのとき大僧正御所持の如来荒神の掛け軸を下絵にして、仏画師に如来荒神図を描いていただきました。
記憶違いでなければ、その掛け軸は、信者さんのおうちの屋根裏から出てきたものをもとに作成したそうです。
あわせて大僧正に開眼供養をお願いしました。平成九年のことですから約25年前のことです。供養がおわると、「きつい荒神さんがはいったで」といわれました。
あるときこの荒神さんの掛け軸を本尊に荒神供を修法していたら、その時の懸案について右斜め方向から「〇〇ではない」と一言答えをいただき、その通りだったという体験をしました。その後そういうことはおこりませんでしたが不思議な経験でした。
ほかにも大僧正からは足止めや呪詛返し、白髭明神の真言など加持祈祷の伝授を受けました。
大僧正は伊勢に住んでいた曲全坊玄妙子というかたから実腹法という仙道の修行を授かり実習されてました。
ちなみにこの曲全坊という方は、蒲田に住んでいた画相法の大家、五千言坊玄通子というかたから仙道の伝授をうけたそうです。曲全坊さんは私も一度だけお会いしたことがあり、背の高いおじいさんで、もともとは株屋さんでした。仙術により相場を当ててそのお金で修行するという面白いかたでした。
大僧正は真言密教の法以外に、ある修験系の祈祷が得意でした。
蟇目や金神よけなど数種類あったようですが、なかでも「除塞法」別名「荒神昇天法」と「光明秘法」をよく修されてました。
「除塞法」は強制的に荒ぶる神を上げる法というので、とくに荒神供だけではダメな場合はそれを修法したようです。
ただし肉食をしているとそれらの祈祷が効かないといわれてました。
理由はその法を守護する守護神が肉食を嫌うからとのことでした。
ふだん大僧正は肉は食べずに、お魚だけは召し上がられてました。
その話が念頭にあったので、私は現在基本的にはベジタリアンです。
私は「除塞法」につかう基本的な印は伝授受けたのですが、次第伝授までには至りませんでした。というのも、実際は施餓鬼供養で十分だなと思ったからです。その考えは今もかわりません。
ただし、この「除塞」ということばに荒神さんの深い意義があると思います。
まるで謎解きのようですが、それは荒神さんという謎の神の性格を物語っています。
それについてはまたいずれ。
掛け軸の箱の上に開眼の旨を書いていただきました。