供養でもっとも重要なのは私たちの意図です。
ご供養したいと思う、気になる方がいれば、まさに供養の時期なのです。
ですから、供養するときは「◎◎◎◎の菩提のため也」と対象の名称をお唱えしています。
塔婆にも基本的に「為◎◎◎◎菩提也」と記します。(これに文句を足していく)
意図は人により異なります。
供養対象のとらえ方も人それぞれですし、地域や時代で異なります。
それは日本の仏事が仏教だけでなく、儒教、神道、風習が混然となって成り立っているからです。
私は関東、関西、さまざまな寺院におりましたが、お寺によってもかなり違いがあります。
四十九日でも日の取り方が関西と関東では1日違いです。
私が大阪のお寺にいたときは、四十九日の時には紅白のお餅を供えて赤いろうそくをつけました。これは関東では考えられません。
いいかえれば、仏事は柔軟に対応するのが必要なのです。
ゆえに名前や戒名がわからなくても、拝む施主さんが認識しやすい名称で大丈夫なのです。
当庵では、たくさんある中で、ご供養の対象をできるだけ私たちがイメージしやすい呼称を使っています。
そして、その方々を供養したいという意図が最重要なのです。
高野山奥之院にて水向け塔婆でご供養 最後のサを二つ重ねて、点を打ったのは
「菩提」の略字 ちなみにササのみで点を打たねば、「菩薩」の略字
「ササ点菩提」「ササ菩薩」と覚える。