大森義成 滅罪生善道場 密教 善龍庵

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「即位礼正殿の儀」 と両部神道

本日令和元年10月22日は13時より「即位礼正殿の儀」がおこなわれる。

 

善龍庵では奉祝修法として、今朝「愛染法」と「準提尊宝篋印合行念誦法」を修し神威倍増、鎮護国家、玉体安穏を祈念させていただいた。愛染明王は日輪三昧、煩悩即菩提の尊、諸神の本地として拝するのである。

 

 

明治以前までは、天皇陛下が高御座に登られるときに、摂関家、主に二条家から印と真言の伝授を受けるという「即位灌頂」がおこなわれていた。

 

この印と真言は現在でも、両部神道各流の中に相伝している。

 

なかでも慈雲尊者伝の葛城神道(雲伝神道)では、両部神道の始まりとして次の故実を伝える。

それは中務省に於いて、嵯峨天皇弘法大師が内々に会われ御密談のことあり。そこで嵯峨天皇より御即位に関する大事が示されると、弘法大師の伝えた金胎両部の教えである密教の玄旨と全く符合したのだった。

 

それより真言宗神道か相承され「両部神道」または「御流神道」と称するようになった。ゆえに、御即位が両部神道の淵源なのである。

 

雲伝神道正統、勧修寺門跡、故和田大圓大僧正著『雲伝神道(うんでんしんとう)』によれば、

慈雲尊者伝では「天皇陛下の道…君主そのものの行う所がそのまま神道である。君主が身を治め、心を治め、国を治める道が神道であって…現在この日本国を治めさせ給う、天皇陛下の日常の御心得が即ち神道である」とある。

 

ちなみに葛城神道では即位灌頂の印明を「輪王之大事」「四海領掌之大事」として相承している。



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四海領掌之大事と口伝書(善龍庵蔵)