大森義成 滅罪生善道場 密教 善龍庵

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不動明王修行会の感想その40

善龍庵
大森義成先生

前略、いつもおせわになっております。

月例の不動明王修行会のご指導ありがとうございます。6月も無事実修ができましたの
でご報告もうしあげます。ご本尊様、先生および御同行の皆様に篤く御礼申し上げます。

先生が常日頃、伏見稲荷様を御巡拝の上、同行一同の吉祥成就をお祈りいただいている
ことがとてもありがたく、5月末、東伏見稲荷様に、ひさしぶりではありますが、お礼
参りにゆきました。

 

先生が一同のためお灯明をあげられた権太夫大神様に御挨拶をと思
い、裏のお塚にまわったところ、金鷹社様が目にとまりましたが、そこにはご神鏡が祀
られていました。

 

礼拝しようとすると、ふと、ご指導いただいたお不動様の梵字の観想
の方法を連想し、ご神鏡と心の中にある鏡が、相照らしあうような感じがました。神鏡
即心鏡とでもいうのでしょうか。


その後、自宅で不動明王修行会の練習をすると、いままで本山での「阿字観」の講習含
めて躓いてきた、「梵字の向き」の問題が完全氷解しました。

 

先生にもご指導いただきましたが、ご本尊の梵字を心の中で観想する時、自分の心の中の梵字はご本尊から見てもやはり正位置の梵字として照覧されるのだ、という当たり前のことですが、確信がもてました。

 

自分のご本尊への崇敬の一方向だけが信仰ではなく、ご本尊も自分をみそな
わされていることが信じられるという、主客わけへだてのない相互信頼礼拝のありがた
さに気付き、お不動様への信仰と先生御提唱のお次第への理解が深まった気がいたしま
した。


きわめて内面的な体験でうまく報告ができませんが、お不動さまとお稲荷様が、ご神鏡
をもって教えてくださったような気がします。


昔飼っていた子猫がよく、鏡をみて自らの姿と知らずに威嚇したり逃げたり遊ぼうとし
たりすることがあり、なんて愚かでかわいいと思いましたが、今考えてみれば自分もお
なじ愚かさで、心鏡に映った対象が自分の心であることも知らず、怒ったり、欲しがっ
たり、畏れたりして、みほとけからみれば、人間も子猫とおなじく愚かでかわいいので
しょうか。

 

他人のあやまちもこのように微笑して見られれば、きっとみほとけの境地な
のでしょう。こんな教えと気づきをいただいたような気がいたします。

末筆ながら先生および御同行の皆様の暑中ご無事と、吉祥成就をお祈りいたします。

合掌



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