大森義成 滅罪生善道場 密教 善龍庵

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母と私をつなぐ真言

(大森)施餓鬼供養されている方から次のメールをいただきました。

 

>昔、祖父母はお地蔵様の信仰をしていたようで、御縁日にはお寺にお参りしていました。幼い私も時々連れて行ってもらい、帰りに参道沿いのお店でお饅頭を買ってもらうのが楽しみでした。
祖父母(時々、母も)が唱えていた「おんかーかー かびさんまーえーそわか」が記憶にありますが、これがお地蔵様の真言「おん かかかび さんまえいそわか」の変形?だと知ったのは私自身が神仏に信心を持ってからのことでした。
現在行なっている母の施餓鬼供養でのお地蔵様の真言は、私たち家族にとても馴染みのある「おんかーかー かびさんまーえーそわか」で唱えています。勝手に変更して申し訳ありません。お許しいただけると有り難いです。

 

(大森)その唱え方で大丈夫ですとお伝えしました。

 

>お返事ありがとうございます。
馴染みのある「おんかーかー…」でお許し下さり、ありがとうございます。
母も時々「おんかーかー、おんかーかー(かびさんまーえーそわかは省略(^◇^;))」と手を合わせていたことを懐かしく思い出します。私自身が信心を持ち、この「おんかーかー〜」が実はお地蔵様の真言だったことを初めて知った時は、長年の謎が解けたような気がして嬉しい衝撃を受けました(笑)。
 
(大森)お母さまの「おんかーかー、おんかーかー」でも十分お地蔵さまに通じますよと、お伝えしました。
 
>大森先生
こんにちは。
恐れ入ります、急で申し訳ありませんが、母と「三界万霊」の施餓鬼供養を、あと1週間延長していただくことは可能でしょうか?
この1週間、「おんかーかー…」と唱えながらとても嬉しい気持ちになりました。なんだかんだ言いながら、そりゃあ怒りもあったけど、やはり私は母が大好きなのだと分かりました。この気持ちをもう少し感じていたいのですが、こんな理由での延長は可能でしょうか?
ご検討頂けると嬉しいです。
 
(大森)尊い志であり、ご供養の継続は可能との旨をお伝えしました。
 
>大森先生
こんにちは。お返事とご承諾、ありがとうございます。
今日は「おんかーかー かびさんまーえーそわか」を108回唱えました。唱えている間、病床の母との会話「あんたが来ると鬱陶しいから明日はお見舞い来なくていいよ(母)」「何言いようとね、明日も来るから、死なんで生きとってよね笑(私)」という場面が思い出されました。これは素っ気ないけど実に私たち親子らしい、忘れられない最後の会話となりました。翌日、母は意識不明になり、2週間の人工呼吸器の後この世を去りました。
ご供養の間に感じた嬉しく懐かしい気持ち、きっと母にも伝わったと思います。
 
お不動様の守護会が今日が結願ということで、いつもより気合いが入りました♪大森先生とご同行の皆様のおかげで1年間続けてこられたことに感謝します。慈救呪はこの10年、何度唱えたか分からないほど大好きです。
今後ともお導き、よろしくお願いいたします。
 
追伸を頂きました。
 
母は真面目に信心する人ではないけど、何かあるたびに「おんかーかー、おんかーかー(^◇^)(←まさにこんな顔でヘラヘラと)」と唱えていました。
そういえば。
可愛がっていたオカメインコが死んで、実家の庭に埋めに行った時のこと。泣きながら穴を掘っていると、母が「ほら、これ(^◇^)!」と一言、火がついて煙がモクモク出ているお線香の太い束を差し出したのです。私は「た、束か?」と混乱しましたが、もしかしたらあれは、照れ屋の母の、精一杯の娘への慰めだったのかもしれませんね。
 
母とはいろんなことが山ほどありましたが、柔らかさや可愛げは無いけど面白くてユニークな人でした。お施餓鬼を通して、やはり彼女の娘に生まれて良かったとあらためて思っています。そしてたぶん、私は顔も性格も母にそっくりです(笑)。
 
 
(大森)お母様とこの方を、今ここでつなぐのがお地蔵様のご真言なのだなと、しみじみ感じました。ご許可を頂き掲載しました。

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地蔵比丘 妙運律師画 六地蔵