弥勒大師
弥勒大師は奥之院灯篭堂の本尊であったが火災で焼失。
光背が特徴的である。△4つは金剛界の四智 〇3つは胎蔵三部(仏蓮金)を表し、
高祖大師が金胎不二の尊格であることを示す。
この〇と△に梵字で光明真言が彫られていた。光明真言は大日と阿弥陀の心呪である。
光背の一部 光明真言が○と△なのかに、このようにきざまれている
右手に五鈷(金の智仏)、左に五輪塔(胎の理仏)をもって理智不二の大日尊を表している。
光明真言の信仰は鎌倉時代ころから盛んになったといわれ、のちに大師信仰と結びついた結実がこの御尊像かもしれない。
雲形の台の上に輪宝羯磨があり、その上の蓮華座に座しているとされる。
他にも説明があるが、ここでは割愛する。
いまは灯篭堂は通常の日輪大師がお祀りされていて、新しくつくられた弥勒大師は別の場所にお祀りされていると聞く。
水原堯榮著『弘法大師影像圖考』大正14年3月1日刊 から弥勒大師の写真転載