これは京都のあるお坊さんからうかがった話。
時は昭和20年代半ばです。
そのお坊さんのお父さんは修験道の行者から僧侶になったかたでした。もうすでに故人です。仮に A 師としましょう。
そのお父さんは、ある霊能者の先生(故人)と知り合いで、その先生の所によく護摩の指導に行ってたそうです。この先生を仮に B 先生とします。
このB 先生はかなりの霊能力があったそうで多くの信者さんがいました。
ある時A 師がそのB 先生の道場にいると、商売を盛大にやっている金持ちの信者さんがやってきて、「B先生、わが家に来てご祈祷して下さい」と頼むのです。
それはこういうことでした。
その信者さんの奥さんは結婚して5年目になるのですが、結婚してしばらくすると原因不明の体調不良になり、あちらこちらの病院に行って治療を受けるのですがさっぱり良くならない。
そこでなんとか拝んでもらいたいというのです。
そこで B 先生、信者さんのうちにすぐに行くことになりました。
A 師もB 先生がどんな御祈祷をするのか見たことがなかったので同行することにしました。
信者さんの家の仏壇の前で、 B 先生が合掌して拝んでいると体をゆらゆらと揺らし霊動を起こし始めました。
しばらくすると何か同じフレーズを何度も何度も繰り返します。
A 師がよくよく耳を澄まして聞いていると、それは「何年たってもまだくれん」とだけ繰り返し言っているのでした。
B 先生が霊媒状態から覚めて、A 師からこの事を聞くと、自分が口走ってたにもかかわらずさっぱり意味が分からない。
そこで、A 師が少し思案するとはっと気づくことがありました。
その信者さんの家の仏壇は立派なもので、きちっとお花もご飯もお供えしておりました。
A 師はその信者さんに「この仏様のお給仕、お供え物は普段はどなたがしてるのですか?」と尋ねました。
すると信者さんは「これは女中が行なっています」と答えたのでした。
そこで A 師「この家の奥さんがご先祖様にお給仕してこそ通じるのです。だから明日から女中さんでなく奥さんがお供え物をして拝むようにしてください」と告げたのでした。
翌日から早速、当の奥さんがお給仕をするようになりました。
すると5年間治らなかった体調不良が一週間ですっかり良くなったそうです。
女中さんも仕事としてお給仕していたわけですが、やはりそのうちのご先祖は、ご縁のある人が供養するのが本義ですよね。
この話で大切なのは決して先祖が祟っているわけではありません。
大事なことを教えるためにメッセージを送っているのだということです。
気づいて行動に移せばすぐにそのメッセージはなくなるわけです。
実際にあった不思議な話でした。
お知らせ
5月2日日曜日からの施餓鬼供養の申し込み締め切りは本日4月28日水曜日までです。
初めて申し込む方は下記リンクを参照してください。
施餓鬼供養の申し込みについて - 大森義成 滅罪生善道場 密教 善龍庵
京都タワーは神仏に供えるお灯明を表しています