私の先祖には明治の初めに遷化された真言宗の僧侶がいる。
〇海師と呼ぶ。(〇は字を伏せました)
もともとは農家であったが、夢で啓示を受け出羽三山で修行された。
かなり不思議な力を備えていたようで、地元の市史にもその一端が掲載されている。
墓碑には聖人と刻まれているので、地域の方に敬われていたのだろう。
我が家にはその方が拝んでいた仏像のみ伝わっている。
先日、ネットオークションを何の気なしに見ていたら、江戸末期に版木で刷られた御影が出品されていた。なぜかそれが気になり、よく見てみると、なんと私の先祖がいた東北地方のある村の名称と私の先祖の名前、行者〇海と記されているではないか!
それは〇海師が滝行の時に雲に乗った仏を感得したのをご縁に、阿弥陀如来の御影を刷ったものを、ある人が頂戴したという由緒が書かれていた。
早速入札して、その御影はいま私の手元にある。
まことに不思議なめぐりあわせだと、〇海師に感謝している。
念持仏 善龍庵蔵