お葬式の意味は - 金翅鳥院様のブログから
羽田先生が天台宗のご葬儀について述べているので、参考までに真言宗の葬儀について少し触れたいと思います。
真言宗のご葬儀は大まかに言うと二段階にわかれています。
はじめは授戒得度の作法を行います。顕教に通じる作法です。
略儀ながら、故人様が剃髪、仏法僧の三宝に帰依し、十善戒(現代ではこれが多い)、戒名をさずかります。いわゆる仏教徒になります。
次は秘印明の伝授です。ここからは密教にもとづく作法です。
さきに滅罪に必要な秘印明を伝授します。多くは滅罪に功徳がある、不動明王、観音、地蔵、阿弥陀、弥勒などを阿闍梨が適宜選択して授けます。
その極めつけは「伝法灌頂」「即身成仏」の秘印明をすべて授けます。
すなわち、そこで故人様が即身成仏の覚位に有ることを印可し証明するのです。
これがいわゆる「 引導を渡す」ということです。
そのあとに密教の血脈を渡します。
上記の二つが肝となり、そこにさまざまな作法が付随してお葬式は成り立ちます。
ゆえに真言宗のお葬式は伝法灌頂をうけた阿闍梨でないとできません。