今日は盆の入り
当庵は7月の新暦で盂蘭盆大供養会をおこなうので、特別な行事はないが、
理趣経法を一座拝んで総供養ののち、本日からの施餓鬼供養を修した。
14日は大随求法。15日は宝楼閣法を修する予定。
私が小僧の時は、徒歩で朝から晩まで師匠のお寺のお盆参りの手伝いをした。
昼休みに帰ってくると、まだお参りにこないと催促の電話がお寺にきていた。
しかし、師匠の奥さんから命じられたとおりに順番にお参りしているので、
なんとも言えないところが辛かった。
今のようにスマホもないので、ゼンリン地図のコピーを手に檀家宅を探す。
歩いていると、酔っ払いみたいなじい様から「くそ坊主」といきなり
罵声を浴びせられることも。夏の暑さでイライラしていたのだろうか。
10代のときは驚いたが、いまとなってはいい思い出だ。
そのうち出世して自転車でお参りするようになった。
3日間で最多100件くらいはお参りした。聞けばまだまだたくさんお参りするお寺もあるので驚く。どうやら玄関先で拝んで次に行くそうだ。
お盆参りがおわっても、それから16日の施餓鬼の準備で休む間もない。
そのうち師匠の寺のお盆参りは後輩にまかせ、卒業した。
他寺を手伝うようになり、車でお参りするようになった。こちらは件数は少ないが、移動距離がかなりあり、渋滞にまきこまれると、予定時間に間に合わないのでひやひやした。
こうして、延べにすれば何千件(万件かも)のお宅にお参りし、ご回向させていただいたのは、とてもよい経験であり、宝物である。
しかし、齢を重ね、お盆参りも身にこたえるので、ついに全部卒業。
いまでは、すべて自坊でご供養させていただいている。
ありがたしありがたし 合掌