次の質問をいただきました。
「大森先生は日々施餓鬼供養をされていますが、なぜ、お彼岸等、別の供養を修されているのでしょうか?」
いろいろな理由があるのですが、主なものをあげます。
施餓鬼供養は通年で供養します。
施餓鬼を日々修法するのは、本来は真言行者の心得です。それにあわせて、皆様からのご供養を行ってます。
春秋の彼岸 お盆、納め万霊総供養は
1 日本仏教の年中行事
これは日本人の霊魂観を大事にしているものです。
納め万霊総供養は、一年間の感謝の供養を皆さんと修したいからです。
さらに真言宗の寺院では理趣経法や光明真言法をご供養のために修法することがよく行われています。それに準じているわけです。
2 多くの方と集中してご供養できる
集中合宿みたいなものですね。行事のときは普段より多くの施主様と拝みますので、功徳力もさらに高まります。
3 施餓鬼供養につかう真言陀羅尼などに基づいての供養法
光明真言 理趣経秘印明 尊勝陀羅尼 宝篋印陀羅尼 宝楼閣陀羅尼など、
私はこれらをすべて日々施餓鬼のときに滅罪のための法施として結誦(それぞれ印も結んでます)しています。理趣経秘印明や尊勝陀羅尼、宝篋印陀羅尼は施餓鬼法にはもともとないのですが、阿闍梨の意楽(イギョウ)として取り入れています。ねんごろにご供養するためです。
供養行事の時は、とくにそれらに基づく修法を行います。
ですから、施餓鬼供養と年中行事のご供養を合わせると、さらに丁寧なご供養になります。
4 法味を捧げるため
ご供養は、「法味」というように食物に例えられます。供養を受ける対象にとっては霊的な糧と言えます。
例えとして適切ではないかもしれませんが、日々の施餓鬼供養とお彼岸やお盆などの行事のご供養は、日々ごはんを食べるのと、節目の時に食事に行くようなものかもしれませんね。どちらも大切です。