最近は毘沙門天を信仰する方からのメールや問い合わせをよく受ける。
そういうことで、国訳秘密儀軌にある不空三蔵訳の『毘沙門天王経』を改めて読んでみると興味深いことが説いてある。
毘沙門天王の利益で、金銭を授かると(毘沙門天の子供の童子が、日々行者の枕元に異種の香気ある金銭一百を死ぬまで置くとある)それは、自分に必要な分をのぞいて、あとは施してしまい、貯金や積み立てするなどケチ根性をだしてはならないと。さらにすべての生きとし生けるものをにおいて、大慈悲心をおこして、怒りをおこしてはならないとある。
そして、毘沙門天王の供養をつづけていると、仏道修行に必要な浄信や持戒、多聞、等の十種の福利を得るとある。
いいかえれば、それを心がければ、死ぬまで必要な福分は与えられる。
だから闇雲に私利私欲をお願いするのではなく、先に仏法僧の三宝に供養するためだと発願することが大切である。すると自然に自分のことは整ってくるものなのだ。