盂蘭盆会の行事は、目連尊者が餓鬼になって苦しむ母を救う話に起因します。
その故実にちなんで毎年盛んにおこなわれています。
よく考えると、目連尊者の母が餓鬼に生まれるような深い罪業を犯したことが機縁となり、その後多くの衆生を救うことになったのです。
いいかえれば、母の罪業がなければ、この行事もうまれていなかったでしょう。
罪業を罪業のままではなく、仏の働きへと転じたのです。
そして、目連尊者の神通力は罪業のまえでは、まったく通用しませんでした。
転じたのは、慈悲と布施の功徳によるのです。
自分や身内が、罪業深きと嘆くことなかれ。
それは仏道修行の積み重ねにより、必ず菩提へ転じるのです。