大森義成 滅罪生善道場 密教 善龍庵

懺悔 供養 祝福 報恩 敬愛 (c)善龍庵 大森義成 禁無断転載

こころのなかのぐるぐる

私たちは悩みや不安、困難に直面したとき、こころのなかでそのことを何度も繰り返し、想起し、そのことを言葉にしてしまいがちです。こうした思考のループは、さらに不安や悩みを増幅させる原因にもなります。しかし、これは私たちの脳の自然な働きであり、責めるべきことではありません。

 

とはいえ、こうした状態では心のエネルギーを過剰に消耗してしまいます。そこで、より建設的な対処法として、まずは自分が「ぐるぐると思考を巡らせていること」に気づくことがポイントです。

 

気づいたら、姿勢を正し、手を合わせてみましょう。右手で左手に触れている感触、左手で右手に触れている感触を丁寧に感じながら、手のひらの感触をじっくり感じます。

 

そして、自分が信仰している仏さまや神さまの御名を心に念じながら、次のように宣言します。

「こういう気持ちがおきるのは自然なこと。シリソワカ
「◎◎様(自分の信仰する神仏)にこの悩みごと、この気持ちをお預けします。シリソワカ
この言葉を適宜 何度か唱えたあと、大きく一度深呼吸をしましょう。神仏に合掌を自分の胸あたりから差し出すような動作をするのも良い方法です。

 

その後、信仰している仏さまの真言や御宝号、御神号を、心が落ち着くまでゆっくりと何度も唱えます。思考にひっぱられやすい人は目を開けて行うとよいでしょう。少し疲れを感じるまで唱えたら、最後に大きく三度深呼吸をしましょう。

 

また思考がぐるぐると始まってしまったら、同じことを繰り返します。その際に大切なのは、「何とかしよう」「止めよう」と思って抑え込まないことです。

思考を無理に止めようとせず、ただ静かに神仏にお預けして、拝むこと。それが、心を穏やかに保つ鍵となるのです。

 

これができないときに、ぐるぐるがおきたら、パッと気づいて、その場で心の中でよいので、ただ御宝号や真言を繰り返しお唱えするとよいでしょう。