料理研究家の故土井勝さんは酉年生まれ。干支の守り本尊は不動明王。
幼少時に母が「おまえの守り本尊はお不動様だから、火と水を使う仕事につくといい」と言っていたのを覚えていて、消防士か料理人になろうとおもったと以前テレビで放送していました。結局、料理人の道を歩み、料理研究家として有名になりました。そして息子さんまで著名な料理研究家に。
これもお不動様が、お母様の口をかりて言わしめたのでしょう。
密教では灌頂という儀式で自身の修行本尊を決めます。
目隠しして、道場内で曼荼羅に花を投じて落ちたところの仏さまがそれです。
いわゆる自分の守護仏です。
また、霊感やお告げで決める人もいますね。
あるいは、たまたま、人から聞いたことをきっかけに、ある寺社に参拝し、それが終生の信仰の対象になることがあります。「天黙して語らず、人をして言う」です。
しかし、どんな決め方にせよ、それはすべてご自身がご縁のある神仏と出会ったということです。
さらにご自身が拝みたいと思い、実際にご縁のある神仏が、ご自身の守護の神仏です。
なぜなら神仏とのご縁は、神仏側からもたらされるからです。
こちらが望んでも神仏側からのお呼びがかからないと、拝めないのです。
私はこの道を志した10代に絶対に拝まないでおこうと決めた神仏がありました。実はそれが「聖天さまとお稲荷さま」なのです。
しかし、不思議なことに向こうからよばれると、知らず知らずのうちにどちらも信仰することになり、不思議な功徳を授かっていました。
本当に不思議です。
自分にご縁のある神仏は大事にしましょう。